10日間彼氏

完璧だ、この人、美人でオシャレで、おまけに優しい、私なんてかなうわけない。

「ユイカ、ここはいいから、つぎ移動教室だろ。早く行って」

いつのまにか、彼女のうしろに、青くんが立っている。

「でも」

躊躇する彼女に彼はキッパリ言う。

「ここは僕がやっとくから。遅れると、沢田先生に叱られるよ」

「わかった、じゃ」

私にも、軽く会釈して彼女は、移動教室へ向かって立ち去る。

青くんがしゃがんでノートを拾い集めてくれる。

俯いたら、長い睫毛が綺麗で、前髪もサラサラで私はドキドキしてしまう。