朝から、彼は爽やかな風を運んできてくれるみたいに、背筋もピンと伸びていてカッコいい。

今日も、きっちりとネクタイを締めて、紺色のスラックスを履いていてる。

ああ、雑誌から飛び出してきたモデルさんみたい、なんて素敵なんだろう。

見惚れて立ち止まっていたら、彼を見失いそうだったので、慌てて追いかけた。

こっそりと、バレないように注意しながら。

その時、鞄で顔を隠しながらコソコソしている私は後ろから走ってきた誰かにぶつかられる。

「ごめんなさい」

「いえ、大丈夫ですよ」