若い男性店員さんのほうが、こちらへ振り返り、私はすぐにその顔を見てガッカリする。

わかっていたけど、やっぱり彼じゃないよね。

「あ、失礼だなー、そんな顔してー。ここにもイケメンがまだちゃんといますよ」

「アハ、そうですよね」

私は苦笑いしながら、その若い店員さんからお釣りをもらう。

「あの、彼はもう本当に、辞めてしまったんですよね?引っ越すとかそういうことだったんですか?」

「いつもごめんねー、個人情報が今うるさいでしょ。だから彼のことは、なーんにも教えてあげられないんだよ、お嬢さん、可愛いんだから、また他の恋でも、探したら?」