最寄り駅から家までの道を彼と一緒に歩いていた。

もうすぐ、最後のデートの終わりが近づいているからか、お互い口数が少なくなった。

先に沈黙を破ったのは彼だった。

「待ってて欲しい」

「うん、待つよ何年でも」

「そんなに何年も待たせないよ」

彼は、目を伏せて力なく笑った。

「桃ちゃんが卒業するまでは待って欲しい」

「待てるよ、私、ほらよく考えたら受験生だし恋愛なんてしてる暇ないもんね。青くんだって、教員採用試験の準備もあるし忙しいもんね」

わざと明るく言って、笑う。