「うーん、タイプって昔から特に無いんだよなー」

「じゃ、じゃあ今までに付き合った人数は?」

「教えない、そんなことは」

ふてくされたように、唇を尖らせる彼。

きゃっ。その顔も私、大好物です。

周りには、誰もいないのにやっと気がついた。

「青くん、あっ」

「シーッ」

腕を引っ張られて、彼の長くて筋肉質な腕の中に閉じ込められた。

声をあげそうになったけど慌てて口を塞いだ。

背中に回された腕に力を込められると、彼の胸に顔を埋めて目を閉じる。

青くん、大好きだよ。

私からもそっと彼の腰の上あたりに両手を伸ばした。

どうしょう。

こんなことしたら、離れられなくなりそうだよ。

ずっとこうしていられたらいいのに。

今この瞬間が、怖いくらいに幸せだった。