10日間彼氏

「うん、ほんと大変で疲れたけど、いろんなことが学べて楽しかったよ。生徒には舐められっぱなしだったけどね」

何か思い出したように楽しそうに彼は笑う。

「でも、みんないい子達だったな。うちはね、両親
とも学校の教師なんだ。だから、昔から教師になるように期待されてたし、僕も自然と目指してたよ」

「そうなんだね、なんか凄い」

「まあ、美大に進学するのはかなり反対されたんだけど、強行突破して今は親戚のところに厄介になってる」

「そっか、そうだよね。今、美大生なんだね」