10日間彼氏

「僕は君のことが、大好きだよ。もうずっと前から」

目が合うと白い歯をだして爽やかに笑ってくれた。

「じゃ、じゃあ」

「コンビニでバイトしてる時から、変なお客さんが毎日僕のレジに並んで、参ったよ。バイト仲間や店長からは毎日冷やかされるし、だっていつも泣いてるような思いつめた顔してるからね、その人は」

「えっ、えっ、うそ、そんなに?やだっ」

恥ずかしくて顔を覆った。

「お釣りを渡したら、しょっちゅう買った商品を忘れちゃうし、夜中でも僕に会いに1人で買い物にくるし、危なっかしくてしょうがない人だったよ」