10日間彼氏

「そんなことないよ、凄く上手だよ、私あんなに綺麗じゃないけど、あんな風に描いてくれて嬉しくて感動したもん」

彼は目を細めてクスッと苦笑する。

「こんな絵なんかよりずっと本物の方が綺麗だよ。まだまだ僕の力じゃ描ききれないんだ」

いえ、それは言いすぎだよ、青くん、絶対目が曇ってる。

買いかぶりすぎというか、だけどそう本気で思い込んでいる彼はやっばり。

「さっきの質問に、はっきり答えないとダメだよな。まあ、バレバレだろうけど」

決心したように、彼は姿勢を正す。

深く息を吸い込んで、ゆっくり吐き出した。

「青くん」