10日間彼氏

美里が、何か言いたそうに心配げに私を見ていたので、ニッコリ笑ってみせた。

無断で、5時間目の授業をさぼってしまったから、心配してくれているのだろう。

6時間めは数学

授業が始まってからすぐにさっきのピンクの折り紙のことを、思い出してポケットからとりだした。

それは、桃の形に折られた折り紙だった。

あっ、て思わず声を上げそうになるのを我慢した。

青くんが、入れたものかもしれない。

しばらくそれを、ぼうっとしながら見つめていた。