「君、朝弱いんだね。あれ、今日は私服なんだ?」

「う、うん」

うちの高校は、県内随一の進学校だけど、自由な校風がモットーらしくて、私服通学でもオッケーだ。

だからほとんどの生徒は私服で通学している。

一応制服もあり、私は昨日はセーラー服姿だった。

今日彼に会うから、少しでも可愛いと思ってもらいたくて私なりにオシャレしてきた。

「どうかな?」

ワンピースのスカートの裾をつまんで広げ、彼にニッコリと笑いかけた。

「今それどころじゃないでしょ。遅刻して閉め出されてるんだから」

だけど、ため息をつかれて、しょんぼりする。