「恋でもしてるんじゃない?あー、まさかー」

「ないない、それは絶対無いからっ」

「へ、まだ何にも言ってないよ」

きょとんとする美里の口を慌てておさえた。

口をおさえられてモガモガ言う、美里を教室の隅に連れていき、手を離した。

「どうしたの?奈緒?」

「ううん、なんでもない。恋なんて、違うから絶対してないからなんにも、キスとかハグとか絶対してないから」

まくしたてながら、真っ赤になるのをおさえられない。

昨日のキスの感触がよみがえってきて、全身が熱くなる。

ははーんと、美里がわざとらしく細い目をしてニヤニヤ笑っている。