10日間彼氏

喫茶店の入口の傘立てに傘を置き、私はそっと彼のテーブルの真向かいに座った。

「あ、ごめん」

流石に私がきたことに気がついて、急いでメモ帳をカバンにしまう彼。

「あの、これ完成したから青くんにあげる」

「え、ああ、これ昨日の?」

完成した、ニードルフェルトの青い鳥をキーホルダーにしたものを、彼に手渡した。

「上手いもんだなー、昨日は、何作ってんだか形もよくわからなかったのに」

彼は繁々とその青い鳥を上から下から眺めている。

水色の体に青い羽の鳥は、彼の大きな手のひらにすっぽり収まるサイズだ。