10日間彼氏

その日の放課後、私はまだ混乱する頭を抱えながら、彼とのいつもの待ち合わせの喫茶店へ足を向けた。

空は昼過ぎから、どんよりしてきてついに、パラパラと雨が降り出してきていた。

天気予報通りだったので、私は準備していた傘をさしていった。

部活も、休んで早く行って彼を待っているつもりだったのに、彼の方が先に来ていた。

こんなに早く来てくれるのは珍しい。

彼はうつむきながら、またあのメモ帳に何かを描いていた。

やはり、私が喫茶店に入ってきてもすぐには、気がつかないほど、集中している。