10日間彼氏

こんな私でも、彼のことを守れるものなら、守ってあげたかった。

ギイッと、内側から扉の開く音がしてホッとした。

「野口先生？」

「おー、森沢ー、伊藤もいたのか？」

扉を開けた青くんは、野口先生に笑いかける。

「どうしたんですか？野口先生、誰かが大きな声だしてましたけど」

「森沢、俺の生徒がさっき、世話になったらしいな。すまんかったな。この子が、お前にお礼を言いたいらしくてな、ほら山吹、彼が森沢先生だよ」

「あ、あのっ」

青くんを、野口先生から紹介されるような形になってしまい、私はうろたえてしまう。