学校では知らないフリをしていた方が無難な気がして、挨拶しないで2人の横を通り過ぎようとした。

「おはよう」

昨日の彼女が明るく挨拶してくれた。

だけど青くんはこちらを見てくれなかったので、私も知らん顔をしようと思った。

「お、おはようございます。昨日はありがとう」

「いいえ」

ニコニコ笑って答えてくれる彼女は白いヒラヒラブラウスと白いスーツに踵の低めのヒールで、透明感があって、素敵だった。

私は今朝はギリギリに起きてしまい洋服を選ぶ暇もなくて、デニムに兄のお古のトレーナーという残念な格好だった。