10日間彼氏

ため息まじりの彼の声がした。

あれ？予想どうりって感じですか？

全然驚いたりは、していないようだ。

「はい、そうです」

「どうしても？」

彼の綺麗な瞳に真っ直ぐに見つめられるとドキドキと胸は高鳴った。

「は、はいどうしても、出来ればお付き合いを」

「困ったな」

少し俯く彼。

ああ、まつ毛長いんだなぁって、見とれてる場合ではないんだけど、うっとりしてしまいそう。

「すみません」

「言っとくけど、僕はあまりオススメの男ではないよ。君は僕のことをなんにも知らないよね」

「そ、それは・・・確かに名前も知りません」

そう、私は彼のことを何も知らない。

「だったらやめておきなよ」

私はフルフル首を横に振る。

だって、どうしても諦めきれないから。

図々しいってわかってるけれど、この気持ちだけは、あなたへの気持ちだけはすぐには諦められないの。