カーテンの隙間から漏れる朝の光。
少し背伸びをして時計に目をやると
針は7を指していた。
これはまずいと思った私は重い体を起こして
リビングへ向かった。
昨日は結局私の部屋へは来なかった優希がなにやらキッチンで料理をしている。
別に期待していたわけじゃないけど、なんとも言えない気持ちになった。
「優希・・・?」
「あ、日向ちゃん!おはよう」
「おはよう」
「あーっ、ごめんね!勝手に冷蔵庫開けちゃった・・・!」
「それは全然大丈夫なんだけど、何作ってるの?」
「ウインナーと目玉焼きを焼き終わって、
今はベーコン焼いてる!」
「ごめんね、任せちゃって・・・」
「いいよ!!!昨日は全部やってもらったし」
「けど・・・」
「それより、日向ちゃんは早く用意してきて!時間ないよ?」
「そうだね・・・。ありがとう優希!」
「おう」
少し申し訳なさはありつつも、出発まで後30分しかないと言う時間のなさを理由に優希に任した。
急いで 歯磨き、洗顔、着替え、ヘアセットを終わらせた。
「んん〜いい匂い」
再びリビングに入るとベーコンのいい匂いが漂っていた。
「でしょ?
もう時間ないし食べよ!」
「えっ、優希 もしかして待っててくれてたの?」
「うん。そうだけど」
「うそっ・・・!!ほんっとごめんね!」
「大丈夫大丈夫!」
別に先に食べててくれてもよかったのになぁ
でもそうやって思いやりがあるところも流石だなと思う。
「美味しかった!!ごちそうさまでした」
「良かった!まぁただ焼いてちょっと味付けたぐらいだけどね。(笑)」
そのちょっとの味付けができない男子だっているのに優希は完璧な味付けで、家でも料理しているのかなと余計なことまで考えてしまうのが私の悪い癖。
「よし、行こっか!」
「うんっ!」
予定より少し遅れてしまったけど、まぁまぁ間に合いそうで良かった。
