「ゆ、優希!・・・遅れてっ、ごめん!」
約束の日曜日
「日向ちゃん!」
「ごめんね?ごめんね?」
優希の顔色を伺う。
「日向ちゃん、可愛い!!」
「わっ!」
私の体をぎゅっと抱きつく優希の体は少し熱い。
どのくらい待ってくれてたのかな?
今までの私なら、男の人が抱きついてくるところで拒絶反応を起こしてたけど、優希はフレンドリーだからしてること。友達だから・・・
って思って、なんとも感じない。
・・・不思議だね
「ゆ、優希・・・暑い」
「あ・・・ごめん。
日向ちゃんがワンピース着てるから・・・つい。」
すっと離れた優希はニコッと笑って、手のひらを私に向けた。
「・・・?」
「では、行きましょうか ・・・お嬢様!」
「・・・っ!バカっ!」
「ふはっ・・・
照れてるし。」
「ほんと、ばか。」
優希って、すごいバカだよ。
何言ってるの?お嬢様??ありえない。
「・・・じゃあ、本気で行こっか。」
「・・・うん。」
ガタンゴトンと揺れる電車。
その度に触れる私の肩と優希の肩。
「ど、どこ行くのっ?」
重苦しい空気を断ち切って私は声をかけた。
「うーんと、ね。
内緒!」
「・・・なにそれー」
どこ行くんだろう。楽しみだなぁ・・・
