家に入り、一つ大きなため息をつく。
「ふぅ〜・・・」
すると、ピンポーンとチャイムがなった。
来たのかな?
緊張しながらも私は応答のボタンを押した。
「は、はい・・・」
「平です!」
「はーい」
聞き覚えのある声に私のクラスのこと同じ名字。
玄関の扉を開け、顔をひょこっと出す。
「ゆ、優希!?」
「こんにちはっ」
「どうしたの???」
「どうしたのって・・・」
「なんか私 学校に忘れ物でもした?」
「い、いや・・・忘れ物とかそんなんじゃなくて
今日から一週間 日向ちゃんの家に泊まらして
もらうんだけど・・・
も、もしかして聞いて・・・」
「え〜〜っ!!!!!!?」
「こ、声でかいよ」
う、うそでしょ?!これから一緒に生活する男の子って優希だったの?
「み、美穂さんの子供なの・・・?」
「あ、うん。そうだけど」
「う、うそ・・・
私男の子が泊まりに来るってことしか知らなくて名前とかそういうの・・・全然知らなくて・・・」
「そうだったんだ・・・」
優希は知ってたんだよね。私だってこと。
「まぁ、とりあえず中入って」
「ありがとう。お邪魔しまーす」
重そうなスーツケースを片手に私の家に入ってくる優希。
なんやかんやで優希が私の家に来るのは二回目だ。
「なんか懐かしいね」
「そうだね。
・・・荷物はこの辺に置いておいてくれていいから
そこに座ってといて」
「はーい」
私はキッチンに行ってコップにお茶を入れながらこんなことを聞いてみる。
「ねぇ、なんで私の家に泊まりに来るって知ってたのに学校で何も言ってくれなかったの?」
分かってたなら、今日はよろしくねとか 嘘でもいいから、楽しみだなぁとか言ってくれればよかったのに。
「・・・い、言おうとは思ったんだよ。
だけど・・・・・・最近あんまり話してくれないし、
気まづい感じになっちゃってる気がして、話しかけれなかった。
・・・ごめんね」
