日向はキミのもの。














「今日も一日お疲れ様〜、それより受験勉強はいい感じか?そろそろテストも近いし、気を引き締めろよ!」



帰りの会で先生がそんなことをポツリと呟いた。



「せんせー!勉強とか無理だよー」


「何が無理なんだ?」


「テストとか入試とか怖い!」


「君たちは何回も経験してるだろー」


「そーだけど・・・」




テストかぁ・・・・・・

毎日勉強はしてるけれど、今回の範囲は全教科あまり自信がない。


今までならこの時期は、優希と一緒に勉強したけど今は話すらしていない。



「「さようなら〜」」




号令を済ませると次々に教室から人が減っていく。




「日向ちゃん!」



「どしたの?つばさちゃんー」



「一緒に帰ろ!」



「え、でも つばさちゃん方向違うくない?」



「今日はね、たけちゃんの家に行くから
日向ちゃんと同じ方向なの!」



「たけちゃんとは一緒に帰らないの?」



「・・・ねぇ、もしかして日向ちゃん、私と帰るの嫌なの?」



「えっ?なんで?」



一気に顔がくもり始めた つばさちゃん。
そういうつもりはないんだけどなぁ。



「だってさっきから、一緒に帰りたくない発言ばっかりしてるんだもん」



「全然そんなつもりはないんだよ」



「じゃあ・・・なんで?」



「あのね、私今日お泊まりでしょ?


そのぉ・・・同じ学校の子みたいだから
お母さんが一緒に帰ってきなさいって朝
言ってきて・・・」



「なるほど・・・」



「あ、でも誰か分からないからどうしようもないんだけどね(笑)」




もう帰ってるかもしれないし・・・


まぁ、男の子だし、私の家の場所も教えてるみたいだから迷うことはないでしょう!



「だから一緒に帰ろう」



「いいのっ?」



「うんっ!!」





つばさちゃんの顔が明るくなった瞬間ほっとした。