日向はキミのもの。














『「・・・何故か、あまり衝撃を受けません。
それはきっと姫じゃない一人の人間に恋をしてしまっているからでしょうか・・・。」


「えっ・・・」



ありさは度肝を抜かれた。まさか彼がそんなことを言い出すとは思わなかったからだ。



「こんな僕と結婚してください」


「よ、よろこんで!」



二人は深く結ばれた。出会って一日。
そんな短い期間でも恋は生まれる。』





あっ、もう終わっちゃった。

いい話だったなぁ・・・・・・




たった一日の出会いでも、幸せは巡ってくるんだなと考えされられた小説だった。





私は読み終えた小説を机の中ではなく
カバンの中に直した。




また新しい小説買わないとな・・・。


とは思いつつも、友達と話すから読む時間なんて今までよりもないから買わなくてもいいかという気持ちもある。




「有田〜!ちょっといいか?」



久しぶりに学校に来た有田さんに声をかける山川先生。


来てそうそう話されるのも可哀想だなという声も近くから聞こえた。




確かにそうだ。
2週間ほど学校を休んでいた有田さん。


暗い表情で教室に入ってきてそれに追い打ちをかけるかのように先生からの呼び出しだなんて、
デリカシーがないにも度が過ぎる。



「有田さんどうしちゃったんだろうね」


学校に登校してきた美玲ちゃん、いつも通り遅刻ギリギリだ。



「来てそうそう呼び出しは可哀想だよね」



「ま、仕方ないんじゃない」



「なんか知ってるの?」



「詳しくは知らないけど少しは・・・」



私には何があったのかは知らないけど、美玲ちゃんの顔的にはやばそうな感じだったから聞かないでおいた。