「つーばさちんっ!」
朝、教室に入ると つばさちゃんの席には1人の男の子がいた。
誰だろう。見たことないなぁ。
「つばさちゃん おはよう」
「あっ!日向ちゃん、おはよう」
うわ~っ、その笑顔眩しすぎる。
「自分から挨拶なんてやるじゃん!」
「うわっ!優希!」
後ろから急に声をかけられたから、咄嗟に間抜けな声が出てしまった。
「にひひぃっ!」
そんな優希は呑気に笑顔でピースなんかするもんだから、あひゃーってなっちゃう。
「日向ちゃん、ほんとやるようになったねぇ」
「何が?」
「挨拶やら・・・笑顔やら・・・何かと何まで、ホントできるようになったねぇ」
「なんか師匠みたい」
「まぁ、でも師匠みたいなもんじゃん」
「・・・うん?」
私は自分の椅子に座り首を傾げる。
「何その反応ー!」
「よくわかんないんだもん」
「だーかーらー、日向ちゃんが友達と関われたのは優希師匠のおかげだろっ?」
なんか、ムカつくけど その話 有り得なくもない。
「はいはい」
「ちえっー、なんだよ それぇー」
優希は椅子の背もたれの上に座り、私を見下げるように喋る。
「でも、ありがとね、優希師匠」
私は笑顔でそう言いロッカーにカバンを入れに行った。
「うわ~っ!何それ!!!くぅぅぅー!!」
優希の声が教室中に響き渡った。
