日向はキミのもの。












「・・・神山さん?」



「よっ!ひっさしぶりー!」





中学の頃同じ学校だった神山さんだ。

話すのはバッティングセンターで裏切られた時以来。




「な、なんでこんなところに?」



神山さんはこの辺の高校じゃないはずだから・・・



「いや、なの に頼まれ物しちゃって。」


「確か、荒木さんと同じ高校だよね?」


「そうだよー」




やっぱりまだ仲良しなんだ。




「それより、吉木さんは何してるの?」


「私は待ち合わせ場所に向かってる途中。」


「友達?」


「うん」


「できたんだ・・・良かったね!」


「うん。ありがとう」




なんでそんなことを言ってくるんだろう。


中学時代の神山さんならきっとこんな事は言ってこない。




「じゃ、そろそろ行くね〜

バイバイ!」



「う、うん。バイバイ」




そう言って神山さんは去っていった。




あんなに私のことをいじめたのに
よくこんな馴れ馴れしく話せるよね。



私からしたら、まだ許せないけど
向こうからしたらそんなことは忘れてるのかもしれない。






「・・・日向ちゃん?」


後ろを向くと、つばさちゃんが不思議そうにこっちを見ながら立っていた。




「あっ、つばさちゃん」


「どうしたの?こんな所で立って。

待ち合わせ場所ここだけど。」




私が立っていた場所は待ち合わせ場所であるカフェの隣のお店の前。



「・・・」



「日向ちゃん?」



「・・・っ」



「日向ちゃん・・・?

・・・!??


どうしたの?急に・・・っ!」




つばさちゃんを見た瞬間 何かがこみあげてきて、
言葉が出ない。


目からは涙がいっぱい出るし、顔はすごく熱い。




「・・・つ、つばさちゃんっ・・・


・・・うぅ・・・っ、」



「え、ちょっ・・・



ここじゃあれだから、とりあえずそこのベンチに座ろっか」