帰りの挨拶が終わってから帰ろうとする優希を私はとめた。
「ゆ、優希・・・少し話があるんだけどいい?」
「いいけど・・・」
優希の表情は曇っていた。
私は空き教室に優希を呼んだ。
「話って何?」
「・・・あのね。その・・・・・・
前からずっと言いたかったんだけど・・・
・・・・・・別れてほしいの。」
「えっ?」
「これが私の最後のお願い。
叶えてくれるかな?」
「・・・理由を教えてくれないと叶えることは出来ないよ。」
そうだよね・・・理由を教えないとだよね。
「・・・辛いの。
ただそれだけ。」
「辛い?
どうして?何が?誰が?
・・・そうさせたの??」
そんなにも沢山聞かないで欲しい。
「お願いは一つに対して一つだけだよ。」
「ひとつ?」
私はゆっくりと頷く。
「優希の1番聞きたいこと。何?」
「・・・何が日向ちゃんを辛くさせたの?」
それは1番簡単なことだよ。
「優希と私の位が違いすぎて辛い。」
「位?」
「優希はみんなの人気者、そんな人私には釣り合わないよ。」
「日向ちゃん・・・それ、最初に戻ってるよ!
付き合いたてからそれ言ってた。
でも、俺たち今まで何事もなくやってきたじゃん。
心配しないで欲しい。って俺、日向ちゃんに言ったでしょ?」
「そんなの・・・
そんなの思い違いだよ!
何事なかったなんて思えるのは優希だけでしょ?
今までずっと黙ってたけど、優希と付き合ってたら嫌なことが沢山ある。
優希が気づいてないだけで私は何回も人に傷つけられてきた。
・・・そんなことも知らないで、よくそんなこと言えるよね!」
「・・・ひ、日向ちゃん?」
「・・・ごめん。言いすぎた。
でも、そういう事だから。
こんな私を許してほしいの。」
