「あーい、ごめんな待たして〜」



すごくいい所で、先生と有田さんが戻ってきた。





ガシャガシャン!!


「えっ・・・」「ちょ・・・」




大きな物音がした。




有田さんが椅子を思いっきり引いたから後ろの席の子の机に椅子が当たったのだ。



だか、有田さんは微動打にせず、後ろの席の
瑠璃ちゃんに謝ることは無かった。




「ど、どした?なんか嫌なことでも言われた?」



そんな有田さんにすぐさま隣の席の優希は声をかけた。



「なんでもない。」


「そっか」




優希のことが好きな有田さんだけど、素っ気ない返事をした。





授業が終わったあとの休み時間。

私の机の前には二人の女の子が立っていた。





「つばさちゃん。美玲ちゃん。どうしたの?
二人揃って。」



「日向ちゃんやばいね」



「何が??そんな怖い顔して〜」




つばさちゃんのほっぺたをつねる。


でも、表情は硬いままだ。




「優希くんだよ! 瑠璃といい感じでしょ?」



「あ〜っ・・・」





美玲ちゃんの言葉に「はっ」 と先程のことを思い出す。



「ごめんね、私のせいだよね。
あんなメール優希くんに送っちゃったから。」



「そ、そんなっ!つばさちゃんのせいなんかじゃないよ」



「今から謝ってくる。だから許して」



「いいってば!!」




優希のところに足を向けるつばさちゃんの服を引っ張った。



「へっ?日向ちゃん?」



私は真っ直ぐな目でつばさちゃんを見つめる。



「私、あの時言ったでしょ?

これで決心したって。」



「・・・」



「だから大丈夫。私に任して」





何を決心したかは誰も言ってはいないけれど、
この雰囲気、タイミングなら薄々わかるはず。




「私は瑠璃の友達でもあるし、日向ちゃんの友達でもある。
だから、どっちも応援したいけど
今は何かを決心した日向ちゃんを応援するよ。」




美玲ちゃんが笑顔でそう言ってくれて嬉しかった。



「日向ちゃん頑張れ!」



つばさちゃんも応援してくれてる。



頑張れ自分。