嘘・・・ついた。

この先どうなっていくのだろう。
楽しみだけど、もう授業の時間になる。


私は机の上にある小説と机の中の教科書を入れ替えた。








「よし!授業始めるか!





あっ・・・と、その前に有田〜ちょっといいか?」




「私ですか?」



「ああ」



「大丈夫ですけど・・・」





担任であり、社会の先生でもある 山川先生は有田さんを呼び出しどこかへ行ってしまった。




「どしたんだろーなー」



「だねー」







「あっ、そーだっ!優希ー」



「ん?どした。瑠璃(るり)」



「私のシャーペン知らない?」



「シャーペン?」



「優希に貸したままな気がするんだけど。」



「え、覚えないんだけど」





クラスの人気女子の瑠璃ちゃんと
優希の会話が頭に入る。



私はまた机の中から小説を取り出した。




嘘ついたところからだよね。





「うそ〜?!勘違いかなぁ・・・」



「多分勘違いだよ(笑)」



「うん・・・ちょっと探す。」





あぁ〜、二人の会話が頭に入ってきて、なかなか集中して読めない。




ようやく、静かになったと思っても
直ぐに違う人が話し出すから・・・。





「え〜っ、ないよ」



「くっ・・・(笑)


絶対あるよ〜」



「え、なんで今笑ったの?」



「ん?笑ってない 笑ってない」



「笑ったよぉ〜!」






なんか心臓がバクバクしてる。





「あっ、ちょっ!!

優希 今見えたよ?私のシャーペン!」



「バカ言えよ(笑) 俺が持ってるわけねぇだろ」



「持ってた〜っ!右手にあったもん!
私のオレンジのシャーペン!」



「ふっ(笑)とってみーろよ」





横目で見ると
優希がオレンジのシャーペンを高くあげて
それを見つめている瑠璃ちゃん。




二人ともすごく笑顔がはじけてる。