「え?」



「・・・もう、これで決心した。」



「・・・?」





私はこの出来事であることを決心した。
つばさちゃんのおかげで気づいたのだ。









翌日、いつもと何ら変わりなく学校に登校し、席に着く。




つばさちゃん、優希くんはもう既に来ていた。




優希くんの席には、いつも通り人だかりができている。





「日向ちゃん、おはよう」



「つばさちゃん、おはよう」



「あの人だかりじゃ、昨日の件も話せないんだよねぇ。ごめんね。」



「いいよ。話さなくても。」



「で、でも・・・悪いし」



「傷ついてないから、大丈夫。」



「・・・日向ちゃんって優しいね」



「へ・・・?」






そう言って、つばさちゃんは教室を出て行った。




いつもと明らかに様子が違う。

どうしちゃったのかな。






「日向ちゃん!

服にゴミついてるよ。」



「うそ!」




つい先程、登校してきたであろう美玲ちゃんが、私のお腹辺りを指さした。




「ほら」



「ほんとだ!ありがとう」



「いーえ」






美玲ちゃんはこんなに可愛いのに彼氏はいない。

というか、人を好きにならないらしい。





「優希〜、ここ教えて」



「塩見、お前ここぐらい分かるだろ(笑)」



「分かんねぇから聞いてんだよ!」



「はいはい。教える教える」





優希が楽しそうにしてるところを見ると、私まで笑顔になっちゃいそう。





こうして、クラスを見渡すと改めて思う。
(このクラスで良かった。と。)


たくさん笑顔が生まれる場所。

素敵だよ。






昔に見ていた小説「ひなたぼっこ」の結末を私はまだ知らない。

それは、あの時 優希が私に話しかけてくれたから。


そこから つばさちゃんや美玲ちゃん
たくさんの友達ができて、小説なんて読む暇がなくなった。




机の奥に閉まっておいた小説を取り出す。


小説を買った時に書店で取り付けられるカバーも
くしゃくしゃにシワがついていた。