「くっ・・・い、いいよ」
「ふふっ・・・
日向ちゃんって私の上目遣いにすぐ負けるよね」
「げっ・・・!
ば、バレてたの?」
「もちろ〜ん!」
「も、もう!!今度からは騙されないからねっ?」
「それはどうかなぁ?」
心の中で留めておいたはずの気持ちは表情と言葉に出ていたみたい。
こんな風に優希にも心の中の気持ち出てないかな?
もし出てて嫌な思いをされたらやだなぁ。怖いよ。
「さっ、スマホきゃも〜ん」
「・・・はい・・・」
「じゃ〜あっ」
うわ〜悪い顔してる。
何する気だろう。
「よし、これでどーだ?」
「見せて」
「ん」
つはさちゃんからスマホを受け取って、直ぐに見ると『勉強うまくいってる?私は超順調だよ!!
あのね、聞き忘れたことがあったんだ。
顔見えないの嫌だから直接あって聞きたいな。』
と、送られていた。
「ちょ、ちょっと甘々すぎない?」
「大丈夫大丈夫!」
「こんなの無理でしょ。会えないよ」
「会えるよ!日向ちゃんのことなら飛んで行くって!」
そして、数分後スマホがぶるっと震えた。
「き、きた?」
「だね」
ゆっくりとメッセージを開く。
『久しぶり。
俺も日向ちゃんに会いたい』
「おおっ」「う、うそ」
『でも、お母さんに外に出ちゃだめだって言われてるんだ。
本当にごめんね。』
「・・・」「・・・だよね」
そうだよ。それが普通だよ。
こんな時に会える方が珍しいよ。
「め、めげることないよ!
それに・・・ごめんね。
こんな勝手なことしちゃって。」
「・・・違う」
「今度、私から あの時のメッセージは
つばさからだったって言っておくから安心してね」
「違うよ」
「そんな遠慮しなくても・・・」
「遠慮なんかしてない。
つばさちゃんのせいじゃないよ。
嬉しかったから。」
