優希は最近、やたらとアピールしてくるのだ。
「日向ちゃんと付き合ってること知ったら、みんなどんな反応するかな?」
「日向ちゃんと俺は他の人から見たら、どう見えるんだろう。」
「学校で手繋いだりしたいな」
なんか、ここまで言われたら了承を出さないといけないみたいなところあるよね(笑)
「日向ちゃん、本当に大丈夫なの?」
「優希、守ってくれるんでしょ?」
「もちろんだよ。」
「なら、心配なんてないよ」
私は優希を信じてる。
優希なら何でも信じれる。
「ありがとう」
「ふふっ。
みんなどんな反応するか楽しみだね。」
「そうだね!」
本当は楽しみなんかじゃない。
本当はすっごく不安で、すごく怖い。
でも、優希の笑顔を見ると何だか安心する自分がいる。
なんでも出来そうな気がする。
心が麻痺してるみたい。
「じゃあ、明日言おっか」
夏休みも終わったことだし・・・
「うん!優希から言ってね」
「分かってるよ」
明日は勝負の日になることが決定した。
「・・・みんな、聞いてくれる?」
朝のホームルームの前、私と優希は先生のいない間に教卓の前に立った。
「何ー?」
「なんか予想つくんだけど。」
女子からの目がすごく怖い。
何よりも、正面の一番奥の席にクラスのボス的存在の有田さんが視界に映る。
乱れた制服にコーヒーカラーの髪色。
そして、椅子に浅く座り 背もたれに背をつけている。
「実は、結構前から
俺たち付き合ってて・・・」
「そんな報告だと思ってたー」
「だろねー」
「なんとなく、勘づいてた。」
みんな、興味はなさそうだけど、分かってくれたみたい。
批判の声もないし、変にバレるよりかは良かったのかな?
