中学生になっても変わらず、友達がいなかった。
できなかった理由は、正直 友達なんていらなかったから。
人間関係が怖かったから。
それと・・・
小学校が同じだった子達が
あの子とは仲良くしない方がいいよって、ほかの小学校だった子達までに言ったから。
別によかった。
もう慣れたもんだし。
生涯 友達なんて作らなくてもいいと思った。
「日向。少しお話があるの。」
「なに?」
「・・・あのね。
ひ、引越し しようかなって。・・・迷ってるんだけど。」
「ひ、引越し?!」
「うん。」
「どうして?」
お母さんは近所付き合いも良くなってきていて、困っている様子は全く見受けないし。
「少し違う景色がいいわ・・・
・・・日向もそう思うでしょ?」
「お母さん、引越しはしなくていい。」
「え?」
「友達なら作るから!頑張るから!」
きっと、私のことを考えて引越しの案を出したんだろう。
でも、私の友達関係のことだけで お金なんてかけたくない。
ただでさえ貧乏だっていうのに・・・。
「日向・・・」
もう心配はかけない。
そう決めて、次の日から私は友達を作ろうと頑張った。
でも、到底無理だった。
変な噂を流されてるのに人に近づけるわけがない。
いつも通り変わらない生活を送ってしまったのだ。
「日向。友達・・・どう?」
「・・・ん?あ、で、できそうだよ!もうすぐ!」
「ほんと?」
私は嘘をつき続けた。
ずっと・・・ずっと・・・
「友達と遊びに行ってくるね!」
「行ってらっしゃい」
怪しまれないように 完璧な嘘までついた。
バレてしまっててもいい。
とりあえずやりきろうと決心したのだ。
