日向はキミのもの。












「お邪魔します」



「どうぞ」



「綺麗じゃん」



「いやいや、散らかってるよ・・・」







私の家族は、つかさちゃんみたいに兄弟はいないけれど、おじいちゃんとおばあちゃんも一緒に暮らしていて5人暮らし。



ちょうど、2人は地域の老人会の旅行で家にはいない。





「私の部屋で勉強する?それともリビングがいい?」



「日向ちゃんの部屋!!」




「分かった」






1人で自分の部屋に行き、何も散らかってないことを確認し、優希を呼んだ。





「わ〜!可愛いじゃん!」



「普通の部屋だよ」



「ううん!日向ちゃんみたいに可愛いお部屋!」



「・・・っ」



「どうしたの?」



「な、なんでもないっ」



「・・・・・・」






せっかく明るい雰囲気にだったのに、また戻しちゃった。




「じゃあ、座って?」



「うん。ありがとう」




優希はゆっくりと腰を下ろした。



「数学からやりたい」



「数学?



いいけど、時間かかったら他の教科できないよ?」



「別にいい」



「じゃあ、教科書開けて」



「ん」






優希が分からない問題を2時間かけて徹底的に潰していった。



「ここは ・・・こう!」



「なんで?」



「だって2乗でしょ?」



「あっ、そっか!」



「とりあえず、休憩挟もっか!」



「ぐわぁぁ!疲れた〜!!」




2人とも揃って手を大きく上にあげた。







「なんか飲み物いる?」



「いる!」



「お茶でいい?」



「うん」






私は冷蔵庫まで駆け足で行き、素早くお茶を注いだ。





「はいっ」



「ありがとー」