「優希〜!」
「あっ、日向ちゃん!」
「遅れてっ、ごめん!!」
「えっ?」
「え?
優希の方が早かったよね???」
「うん。そうだけど・・・」
「いや、なになに?」
遅れたから謝るのは当然なはず・・・
優希は一体何が言いたいのだろうか。
「日向ちゃん。」
「ん?」
「その服、超似合ってる!!!可愛い!!」
「服・・・?
あっ、この服のことだったの?!」
「うん!そう!!」
この前に優希と遊んだ時は普通のワンピースだったから魅力も何もなかったけど、今回は少しオシャレをしてみたから好評だったみたい。
「また、日向ちゃんのイメージ変わった!」
「服だけで?」
「うん! もっと 日向 っぽくなった!」
「日向・・・」
私は自分の名前が大嫌いっだった。
でも、好きになったのは こうして優希が褒めてくれたから。
「優希。」
「ん?」
「・・・行・・・こっか」
「あ、うん。」
優希は首を傾げて何か言いたそうだったけど、
私はその微かな気持ちも無視して家の方向へと歩き出した。
「部屋・・・汚いから。」
「えっ、うん。そうなんだ」
「・・・あっ、何も無いよ?お菓子とかも。」
「うん。 大丈夫。」
さっきからすごく話しずらい。
どうして?
あの時、私があんな反応したから?
「もう着く!」
「まじ?」
「うん!」
この気まずい雰囲気の中、家の近くまで来てしまった。
2人しかいないあの密室空間で気まずいのは、すごく辛い。
