「あっ、日向ちゃん!いたいた!」
「ぬぁっ?!つばさちゃん!」
廊下に突っ立っていたら、急に名前を呼ばれ ビックリしてしまった。
大きく手をブンブン振っている、つばさちゃんは小学生みたいだ。
「渡せた〜??」
「ちょっ!つばさちゃん声大きい!!」
「あっ・・・ごめん!!(笑)
で、どうだったの??」
少しずつ距離が近くなり、つばさちゃんの声も比例して小さくなっていく。
「渡せたよ。」
「おおお!良かったじゃん!!
どんな反応だった??」
「目の前で食べてくれて、美味いって言ってくれた。」
「うんうん!安心!」
「つばさちゃんはどうだったの??」
「私も上手くいったよ!!
たけちゃんも美味しいって言ってくれた!」
ニコニコ笑う、つばさちゃんは頬が少し赤い。
「おめでとう」
「うんっ」
つばさちゃんの頬はさらに赤くなった。
「ねぇ、つばさちゃん。」
「ん?」
「好きって意味は1つじゃないの?」
「ふぇ?」
そうだよね。驚いちゃうよね。そんな急に言われてもね・・・
「ううん!なんでもない!ごめんね・・・」
「1つじゃないよ」
「えっ?」
「だって、私、日向ちゃんのこと好きだもん。
でも、私が たけちゃんのこと好きっていうのは、それとは また少し違うでしょ?」
目を逸らして照れながら、つばさちゃんはそう言った。
「そうだね。ありがとう」
「ぅ・・・ん。」
つばさちゃんはたけちゃんのことが好き。
そうしっかり言葉に出した日。
その日、私は気づいたんだ。
優希のこと ただの好きじゃないって。
