「日向ちゃん。」
「ん?」
「大好き」
いつもとは違って優しく包み込んでくれる。
「私も優希のこと好き。大切に想ってる。」
「ふーん」
「な、何それ!!」
私の体から離れた優希はニヤッと笑っていた。
「日向ちゃんも言えるようになったね」
「へっ??」
「そんな簡単に言ってちゃあ心配だなぁ」
「何が心配なの?」
「ほかの男に取られそうで・・・心配。」
私と目線を合して頭を撫でてくる。
いつも見られない優希の新しい姿にドキッとしながらも優希が言った言葉を思い出し、頭の中で考える。
ほかの男に取られる?
どういうことなんだろう。
「まぁ、まだ分からなくていいよ」
「はっ?」
「そのうち分かるから。
俺と日向ちゃんの好きは違うってことも。」
「同じじゃないの??」
「うん。
俺の方が1枚上手。」
「・・・ほんと意味わかんない」
今日の優希は本当に分かんない!
できるだけ人通りの少ない廊下で声をかけたつもりだったけど、結構人いる・・・
さっきの見られてないかな。と心配になってる間に優希は私に背中を向けて歩いていた。
結局、よく分からなかったな。
そのうち分かるって言ってたけど、いつだろう・・・。
