それにしても、なんで急にクッキー作ろうなんて言い出したのだろうか。
それはこの先分かること・・・。
「日向ちゃ〜ん!」
「ゆ、優希?」
帰り道。私の家の近くの図書館前で、なぜか優希とばったり会った。
「いや〜、日向ちゃんに会うとはねぇ」
「なんでこんな所にいるの?」
「まぁ、そうなるよね(笑)
今、俺のお母さん熱出ててさ、飲み物とか買って来てあげようと思って・・・」
確かにこと近くにはスーパーが1軒だけある。
「優希 優しいんだね」
「だろ??自分でもさすがだって思うわ」
「自画自賛はやめたほうがいいと思うよ?」
「ほんと日向ちゃんは分かってないわ〜」
「なにがよ」
「ノ、リ、が!」
「のり?
あの、ご飯と一緒に食べるやつ?」
「それは海苔な!」
「あっ、分かった!!!
紙と紙を引っつけるあれでしょ??」
「それも違う!」
全くわからない。その他に のり なんてあるの?
「ノリが良いって意味は
その場の雰囲気に合わせて調子づくことだよ〜」
「その場の雰囲気に合わせる?」
「うん、そう!
例えば今のだったら、『そうだね!優希さすが!』的な?」
「そ、そんなのパって出てこないよー!」
「まぁまぁ、いつかは すぐに出てくるようになるよ」
「そうかなぁ・・・」
「って俺、こんなこと話してる場合じゃないんだ!お母さんの看病!!」
「そうじゃん!!じゃ、じゃあね!」
「おう!じゃあ!」
優希は笑顔で私に手を振って私の家とは反対法に歩いていった。
ノリか・・・。
いつかは優希に納得してもらえるくらいノリ良くなりたいなぁ。
なんてね。
