「ねーねー、日向ちゃんは何のお菓子が好き?」



「お菓子?」



「うんっ!お菓子!!」





正直 好きなお菓子なんてない。
まず、お菓子を食べない。


・・・どう言おう。食べないなんて素っ気ない返事をするのは良くないな。




よし、ここは無難な・・・


「チョコかな」




「チョコが好きなんだー!意外だね」



「何が好きだと思ってた?」



「うーん。クッキー!!」



「クッキー?!」



「好きじゃないの?」



「ううん。嫌いじゃないけど、あんまり食べないからさ。」





ところで、つばさちゃんは このタイミングになぜ こんなことを聞いてきたのだろうか。




「あのね、日向ちゃん。」



「ん?」



「こ、今週の水曜日!


わ、私の家でクッキー作らない??」










「つ、つばさちゃんの家で・・・?」




「ぅ・・・ん」





頷くだけの返事かのように つばちゃんの声はすごく小さい。



私が断るとでも思ってるのかな?




「つばさちゃんの家 行ってみたい!」



「ほ、ほんとっ?」



「うん!」



「やった〜!」





クッキー作るのも楽しそうだし、乗り気ではある!


というか、つばさちゃんと遊べるということ
いや、人と遊べることに感激だ。




「じゃあ、材料とかは私が買っておくから
あのカフェ集合ね!」




「分かった!」





行き慣れた場所には必ず「あの」が初めについてくる。


あのスーパー
あのコンビニ
あの駅
あの学校


あの・・・カフェ




日に日に つばさちゃんとの「あの」が増えていってるんだ。




ちなみに あのカフェとは、つばさちゃんに初めて声をかけられて一緒に勉強をしたカフェ。


あれはすごくドキドキしたなぁ。