「つばさちゃん!」
「あっ、日向ちゃん」
いつもより早く家を出たら思ったよりも数倍早く着いた。
運良く、校門前につばさちゃんが歩いてたから良かった。
「今日は早いね」
「うん!5分早く出た!」
「いいこといいこと」
ヨシヨシと撫でてくれる、つかさちゃんの手は小さくて可愛い。
私の大きくて太い指とは正反対だ。
「あのね、今日は学食 食べたいなって
お弁当持ってこなかったんだ。」
「えっ?!つ、つばさちゃんが学食 食べるの???」
「うん!」
毎日毎日 お弁当のつばさちゃんが、まさかの学食を食べると言い出した。
「たけちゃんにね、火曜日の学食は美味しいんだ!って聞いたの!」
きっと、日替わりランチのことだろう。
昨日の放課後、待っててねと言われた時に話したんだろう。
「じゃあ、私も食べた方がいい?」
「うーん。どっちでもいいけど、せっかくだし一緒に食べようよ!」
「分かった」
これで、お昼は学食に決定した。
せっかく早く起きてお弁当作ったのに・・・
教室に着くと誰もいなかった。
「誰もいないね」
「いつもそうだよ」
「つばさちゃんが1番??」
「うん!そう!」
誰もいない教室はもちろんしんみりとしていて、何だか寂しい。
「おっ!日向ちゃん!つばさちん!おっはよ!」
「美玲ちゃん、おはよう!」
「おはよう!美玲ちゃん今日は早いね!」
「日向ちゃんもなかなか早いじゃん!」
「うん!今日は少し早く出たの!」
「やるねぇー!」
いつも遅刻寸前の美玲ちゃんは今日は珍しく3番のりだ。
