ハル色に染まるるを…




「お先に失礼いたしまーす!」


ぞろぞろと帰ってゆく
事務員さんたち。



「おぉ、すごい。」


私は思わず、感嘆の声を上げる。


いつの間にか隣にいた
早見さんがおかしそうに笑う。


「本間先生、お疲れ様でした。
それと、さっきの2回目のチャイムは
本間先生にとっては終業15分前の予令で
片付けの準備の合図よ。」

と教えてくれた。



!!!


ーーそういう事なのか!



「ありがとうございます!
お疲れ様でした。」

私が慌ててお礼を言うと



「い〜え〜♪
じゃあじゃあお先〜!」


ひらひら後ろ手を振りながら
スキップ気味に帰っていった。


(若い…若いわ、あの人。)


早見さんは外見も含め、
絶対に40代には見えない。


あの人こそ、美魔女だ。