ハル色に染まるるを…




「おはようございます!本日からお世話になります。
本間ゆいです。よろしくお願い致します。」


すると、一瞬驚いたような表情をして

すぐまた堅い表情をこちらに向けた真面目男。



「お、おはようございます。
本間ゆいさん。」


そう言ったあと彼は
少し笑顔を向けてくれた。


ーー意外。笑わないタイプかと思った。


なんて失礼なことを思っていると
早見さんが、口を開いた。


「彼ね、うちの期待の若手先生なのよ〜。
一昨年入社だから、二つ上かしら。
向かいの席だし、
分からない事は彼に聞くといいわ。」


彼も税理士のようだ。


歳の近い優秀な方が
近くにいるなら安心ね♪



「よろしくお願いします。」


再度頭を下げて、お願いすると

にっこり笑ってスッと
名刺を渡してくれた。


「こちらこそ、よろしくお願いします。
コンサルティング部の川島結冬(カワシマ ユウト)です。
といっても今は、B課の手伝いが多いので
関わる事も多いと思います。」


私は、差し出された名刺を受け取った。