ハル色に染まるるを…




後悔していると、
表情を読んだかのように

一人の女性が口を開いた。


「事務長の早見かずこです。
本間先生、今日からよろしくお願い致しますね。
あと先生?ご心配されているかも
しれませんけれど、大丈夫ですよ。
私達と先生は出勤時間が違うんです。」


そういってにっこり笑う早見さん。


私は心の中を見透かされたようで
気恥ずかしくて
ちょっと顔を赤くした。


ーー出勤時間が違ったんだ。
良かった……


ホッとした私を尻目に早見さんは
所長にプリプリ怒っている。


「ちょっとナツ所長!本間先生に出勤時間のこと
ちゃんと説明してなかったでしょう!
可愛い新入先生を
不安にさせちゃダメじゃないですか。」



所長は、早見さんの剣幕に
ポリポリと頭を掻く。


そして、申し訳なさそうに
こちらに視線を向けた。


「すっかり抜けてたよ。
ごめんね、本間さん。」