…いやいやいや。


えらく都合のいい夢を見たものだ。


「こじらせすぎか!」


自分で思いっきりツッコむ。

ハルくんが私にキスするなんて
そんなことあるわけがない。


妄想がすぎるにも、ほどがある。


「…私、変な寝言言ってないよね??」

急に不安になってきた。


「あぁあ…ハルくんに会わせる顔がないぃ…」


朝から、独り言まみれの私は
叫びながら、なんとか支度をした。


…さて、いきますか。


玄関を開けると、幻覚が見えた。