この声が聞こえるまで

「ねぇ、貴方普通の人間じゃないわよね?」

「その言葉そっくりそのままお返しさせてもらいますが、貴方こそ人間じゃないですよね?」

「食えない女ね、けどまぁいいわ。私もずっと此処にいたものだから退屈してたの。」

そう言いながらゆっくりと近づいてくる。

距離を取ろうにも木がありこれ以上、後に下がることが出来ない。

「美しい顔ね。私にその顔を頂戴。」

体が金縛りにあったかのように動かない。

このままでは彼女の思い通りになってしまう。

正直この術…祝詞は使いたくなかったが仕方ない。

「契約すべしモノよ汝を解き放つ事をここに命じる。我が身を守り給え。」

辺りが眩しい光に包まれ金縛りか解ける。