この声が聞こえるまで

だから私は使い魔と契約をする時、禁忌の契約をした。

それは決してしてはいけないものだ。

使い魔との契約は六歳の誕生日に神社の敷地内に描かれた魔法陣の中で行われる。

魔法陣の中に自分の血を垂らし悪魔と契約を交わす。

その際に等価交換として差し出す物を誓わねばならない。

私が差し出したのは…

「結、俺は心配してるんだ。」

「心配?笑わせないでよ。」

私がどれだけ辛い目に遭っていても助けてくれなかったのに今更心配しているなんて。

そんな言葉私に信じられるはずが無い。

煮えたぎるような怒りを胸の中に抑え込みその場を立ち去ろうとした時。

冷たい手に肩を掴まれた。

「吏人(りひと)…」

どうしてこうも使い魔は世話を焼く人が多いのだろうか。