この声が聞こえるまで

「久しぶりですね、ご主人様。」

「その呼び名で呼ばないでって何度言ったらわかるの?本当はもう呼びたくなんてなかったわよ。」

彼は私の使い魔。

使い魔は、契約する者の代価に応じて魔力などが変わってくる。

そして、支払う代価が大きければ、魔力もそれなりに伴い大きくなると共にリスクも付く。

「ごちゃごちゃ私を置いて話してんじゃないわよ!!」

さっきまでの美しさとは一変し般若のような顔つきで襲いかかってくる。

「下がってください。」

「誰に命令してるわけ?私は貴方の力なんて借りない。」

祝詞を唱え彼女の包囲を木々で囲み捕らえた。

そして普段は隠しているナイフをスカートの裾から引き抜き呪文をかけ剣へ姿を変形させる。