春には、庭から桜を見た。押し花を作った。団子や桜餅を作って食べた。

最初はひどかった少女の腕前も春が終わる頃にはすっかり上達して、少女の作る団子は少年の大好物になった。

夏には、風鈴を下げた。うちわを作って煽ぎあいっこをした。かき氷を食べた。たくさん昼寝をした。

寝苦しい夜には夜通し話したりもした。

秋には、紅葉を楽しんだ。少女が色とりどりの葉っぱを拾ってきて、押し花にした。少年たっての希望でお月見をした。

少女のお手製の月見団子は、最高の思い出になった。

そうして冬が来た。