ー謝ることはないよ。仕方ない。ありがとう、僕のために
少年に頭を撫でられて今度こそ少女は堪えきれなかった。
ーずっと、ずっと一緒にいたいの。一緒にいれるだけでいいの、それだけでいいのに...
1番辛いのは少年だとわかっているのに、言葉が溢れ出てしまう。
少年はやせ細ってしまった腕で優しく少女を抱きしめた。
ーずっと一緒にいれない代わりに、たくさん思い出を作ろう。一生分の思い出があったら一緒にいれなくても大丈夫だよ
少年の言葉に少女はさらに泣いた。
一緒にいられなくても大丈夫なはずがなかった。
そんなことを少年の口から言わせてしまったのが何より情けなかった。

