待ちきれなくて少女の手をとって引き寄せる。 ーつかまえた おどけて笑ってみせるとやっと少女の顔にも笑みが浮かんだ。 ー長く留守にしてごめんなさい ーいいんだ。君が村にいない間に何をしてたか聞きたいな。僕はしばらく外に出ていないから 少年の柔らかな微笑みに少女は胸が締め付けられるようだった。 外に出ていないと告げる少年の顔に苦しみはかけらも見えない。 彼は外に出れないことが当たり前になるほどずっと外を歩けていないのだ。