村での花探しを諦めた少女は、村に来る行商人に手がかりを求めた。

-病を治す花ねえ?ああ、そういえば西の村の滝の洞窟にあるっていうようなことを聞いたことがあるかもなあ

情報をくれた商人にお礼がてら、握り飯を一つ買って少女は西の村に出かけた。

1日歩いてやっと西の村に着いた頃には夜になっていた。

しかし少女はそのまま滝へ向かう。

休んでいては苦しんでいる少年に申し訳ないと思うから。

暗い洞窟を細い火を頼りに進む。

何度も地面に足をとられそうになりながら、少女は進んだ。

しかし、そうして進んだ先には花はなかった。

少女は洞窟の奥に座り込む。

そのまましばらく立てなかった。