中学一年生、春

近所の中学に入学した自分は

今までといじめは少し変わるだろうか、と

期待していた

だが、小学校と中学校は近いため

そのまま上がる人が多くいた

自分も例に漏れずその境関中学校へ入学した


結果として、いじめを行っていた人と

同クラスになったため、いじめは続いた

自己紹介では名前、小学校、前の呼ばれ方

得意なこと、一言アピールがあったのだが

呼ばれ方をぐずと呼ばれていました、では

流石にひどいと思い

楠原と呼ばれていました、と言った結果

いじめを行っていた人から

お前はグズだろ!と言われ

その時は先生から注意を受けていたが

その言葉によって回りに伝えられてしまい

グズ、が定着してしまったのだ


驚くべきは定着の速さと広がる速度だった

他クラスにも一週間後には知りわたり

お前の名前ってグズってんの?まじで!?

と、初対面の知らないやつに

言われる始末である、流石に酷すぎる


グズと呼ばれてから数ヶ月

また直接的ないじめが始まったのだ

ある程度頭が発達してきたからだろうか

ある意味で粋なものが多くなっていった

手向け花や黒板に芸術的な絵とメッセージ

先生へ提出したはずのノートはゴミ箱へ

そんなことが毎日のように行われ始めた


最初は黒板の絵は消して花は捨てていたが

黒板を消すのは面倒になり放置した

当然ホームルームまで残り先生がそれを見て

大きな問題となった

当然……というかなんというか

いじめは無くなるはずがなかった


手向け花は捨てるには惜しい

とても綺麗な紅色の花があり

先生にクラスに花瓶を置いてもいいかと

許可をしっかりと取ってから

窓際にあるクラスに配布された

辞書が仕舞われている本棚の上に置いた

先生がいい花だ、アザミか?

確か花言葉は安心とか厳格だったな

いいセンスだよ、素晴らしい、と

帰りのホームルームで言っていたときは

いじめっ子が苦虫を噛み潰した顔を

していたことがなんとも面白かった

ちなみに他の花言葉を挙げるのであれば

触れないで、独立というのもある

……いや、そうじゃない


ひとまずそんなことが続き15歳の春

自分は高校生になったのだ