「え……?」

いきなりの出来事で、母も私も言葉が詰まる。何も言えない。他に何か言おうとしても、のどが詰まって思うように言葉を発することができない。

「もう、治る事はない、と考えたほうがいいでしょう。非常に残念ですが、愛梨さんはいつ亡くなってもおかしくないと――」

「あ、いりっ、あいり……?」

母は嗚咽を漏らしながらすすり泣いてしまっていた。私だって泣きたいのに。自分が一番つらいのに。

外を何気なく見つめると、子供たちは楽しそうに遊んでいる。のんきに鳥は飛んでいる。

そんな風にみんなが幸せそうだと、何故か私は悲しくなってしまった。


……どうして私がこんなことにならなくちゃいけないの?